韓国が核融合実験に成功!?未来はどうなっていくのか

核融合とは、

軽い原子核が高温・高圧の状態で衝突し、重い原子核になる過程でエネルギーを放出する現象です。太陽や恒星の内部では、核融合が起こっています。 核融合は、化石燃料に代わるクリーンで安全なエネルギー源として期待されています。核融合は、二酸化炭素放射性廃棄物をほとんど出さず、原料となる水素やリチウムは地球上に豊富に存在します。また、核分裂と違って暴走や爆発の危険性も低いとされています。 しかし、核融合を人工的に起こすには、太陽のコアよりも高い温度(約1億度)と圧力(約2億気圧)が必要です。これらの条件を実現するためには、高度な技術と巨額の費用がかかります。そのため、核融合は「50年後のエネルギー」と言われ続けてきました。 韓国の実験 しかし、この度、韓国の科学者たちが、核融合実験で画期的な成果を出しました。彼らは、KSTAR(Korea Superconducting Tokamak Advanced Research)という施設で、100万度という超高温のプラズマを30秒間安定して保つことに成功したのです 。 KSTARは、ドーナツ型の容器(トカマク)の中に強力な磁場を作り、プラズマを閉じ込める装置です。プラズマは電気的に帯電したガスで、原子核が分離した状態です。プラズマを高温・高圧にすることで、核融合反応が起こります。 韓国の科学者たちは、昨年12月24日から今年1月10日まで、KSTARで計110回の実験を行いました。その中で、彼らはプラズマを100万度以上に加熱し、30秒間安定させることができました。これは、世界最長記録です。 実験の意義 韓国の実験の意義は、核融合エネルギーの実用化に向けて大きな一歩となったと言えます。核融合エネルギーを発電に利用するには、プラズマを長時間安定させることが必要です。韓国の実験は、その可能性を示したのです。 韓国の実験の影響は、国際的な核融合研究にも及びます。韓国は、フランスで建設中のITER(International Thermonuclear Experimental Reactor)という巨大なトカマクに参加しています。ITERは、2025年に点火予定で、プラズマを500秒間保つことを目標としています。韓国の実験は、ITERの成功に貢献すると期待されています。 韓国の実験の展望は、さらなる挑戦が待っています。科学者たちは、プラズマを300秒間保つことを目指しています。また、プラズマの温度や密度、圧力などのパラメーターを最適化し、核融合反応がエネルギーを生み出す点火条件に近づけることも課題です。 核融合エネルギーは、人類の夢です。韓国の科学者たちは、その夢を現実にするために努力しています。彼らの成果に敬意と期待を寄せたいと思います。